2016年03月04日

神楽縁人の、そもそも神楽って? そのじゅう

はーい、19号です!

面白おかしくわかりやすく書くのはなんとも難しいですけれども…
「煙い、寒い、眠い」の三大「むい」にあわせて花祭りのご紹介を致しましょうっ!

今日はまず「煙い」!

霜月祭と呼ばれる同じ系統の祭は奥三河、南信濃、西遠江という天竜川中流域の山岳地帯に伝わっており、「花祭り」と言われているのは奥三河地域、愛知県北設楽郡東栄町周辺です。
アクセスは豊橋からJR飯田線に乗り換えてどんぶらこっこと山の中へ!
DSC_2294.jpg

ちょいコワなので載せませんが、駅を下りたらドーンと真っ赤な鬼ちゃんがいます。

私がフィールドワークに出かけた月集落は駅から遠いので車をお願いする必要がありますが、もちろん駅前にタクシーはいません。はい、無人駅あるある。
少々途中下車の旅は難しめです。

そしてそして
IMG_3565.JPG
神事やもろもろのことはそれよりも前から始まっていますが、人がぽつぽつと集まり始めるのは17時を回ってから。
でもこの時間は地区の人よりもカメラ小僧がほとんどですねー。
地元の皆さまはご飯タイムかと思われます。

花祭り3.jpg
山深いので日が山の向こうへいってしまったらあっという間に暗くなりますが、その頃に湯立ては始まります。
湯立てというのは、島根では式年祭のときに本殿の前の隅っこあたりに幣を立てて四方を囲み、その中でぐらぐら水を煮立てて、神事を行うようですが。
花祭りも四方を囲みその中で水を煮立てますが、結構広い空間ですね〜ワンルームの我が家より広いです。
なぜかといえば竈を中心に据えてその周りでぐるぐる舞を舞うので、結構広く場所を取られているのです。
あと、ちょっと変わっているのは、花宿と呼ばれる建物の中で行われること。
hanamatsuri.jpg
月集落では花宿はふだん公民館だそうです。
もっと昔は大きなお屋敷の土間のようなところで執り行われていたようですね。

話が脱線しましたが!
湯立てが始まりましてしばらくすると、煙りが立ち込めます。
IMG_3586.JPGモワモワー

湯立神楽だからといって祭中ずっと火をおこしているわけではなく、一晩火を焚きつづけて日中は放って消えてしまい、また日がくれたらおこすんだったと思うのですが、ここで忘れてはいけないのは、火をおこしているのが建物の中という事。
つまり
あっという間に燻製縁人のできあがり(´Д`)

一通り見ようと思うと二晩花宿で過ごすことになりますので、もうね、完全に臭いですよね。
ファブリーズも効果無し。
じっくり全身を燻されたあとは、上着はクリーニングにだしてもほのかに煙臭く、一週間くらいなんとなく煙を身にまとっているような心地を楽しめます。

自分たちはみんな仲良く煙臭いので気にならないのですけれど、電車に乗って帰るときに、何なのこの燻された集団、というかんじ。

三大「むい」に恥じない煙さなのでした。

あ、大田の五十猛のグロとか、もしかしたら似たような状況が体感できるんじゃあないでしょうか。

次回は「寒い」!
湯を立ててからが長いし寒いんですわこれがまた。

では皆さま、良い週末を!(^O^)/
web拍手 by FC2 posted by en-book at 18:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 縁人19号の神楽談義

2016年02月05日

神楽縁人の、そもそも神楽って? そのきゅう

ハーイ、神楽縁人です(^O^)
今週は節分でしたね!立春で、おちらおちら春の気配もしてきたような、まだまだ最後の一押しが来そうな…そんな時期ですね(*^O^*)

なんとか前回、権現様あたりのお話を終えまして。
本日はこの時期にピッタリ?!真っ赤な鬼が出てくる神楽についてのお話(^O^)

その神楽はこんな山の中に伝わります。
奥三河.jpg
愛知県が北設楽郡東栄町。奥三河と呼ばれる地域です。
大学二年生で、人生初の神楽を見るために出かけた当時は、きゃーめっちゃ山やーんとか思ってましたが、なんだか島根にも心当たりのあるような風景ですね。ビルでなくて山で空が狭い!

ちょうど、三河・信濃・遠江三国の国境にあたるこの奥三河に伝わる神楽は、「花祭り」。でも釈迦のお誕生日ではありません。
花祭り3.jpg
霜月、一番太陽の力が弱まる冬至に、竈を設えてガンガン湯を立てる、湯立神楽なのであります。

そしてこの花祭りの別名は、三大「むい」祭り!
寒い・煙い・眠いの三拍子揃った、少々マゾヒスティックなニオイのするお祭りなのでありますっ(`・ω・´)

まあまあ詳しいことは、また次回にでもお話しいたしますが。

この花祭りは、だいたい30時間くらいは神事と神楽を行うのですけれども、島根や東北の神楽を見慣れている人は多分つまらないと感じるくらい、延々と同じような舞が続きます。
そんな花祭りでテンションが最骨頂に達し、嵐のように現れるスーパーヒーローがこちら!
FB_IMG_1454675260444.jpgかっこいいー!!

この鬼は、豆を投げつけて追い出してはいけませんのね!
この榊鬼は四方を見渡し、大地を踏み締めて邪を祓うのです。だからスーパーヒーロー。石見神楽でいう須佐之男ポジションみたいな感じなのかなあ。でも見た目は普通に赤鬼。
でも、とにかく、笛にあわせてゆっくりどっしり舞う姿がなんともステキなのであります(*´ω`*)

氏神様の前で舞を奉納したり、集落を回って家々で舞ったりしてから真夜中に舞殿へ現れるのですが、そのときはそれまでお家に引っ込んでいた地元の人たちもいっぱい集まってぎゅうぎゅうになります。
榊鬼は別にお餅をまいたり、赤ちゃん抱いたりというお愛想を振りまく訳でもないのですが、とにかくやたらめったら人気。

なぜ神ではなくて鬼なのか、というのは、あまりちゃんとした答えがないみたいなのですが、この祭りには、熊野の修験者が大きな影響を与えたと言われています。熊野には鬼が出てくるお祭りがありますので、何かしら関係があるのでしょう。いやーロマンがあって妄想がはかどりますね!
あとは、毒をもって毒を制す、みたいな感じもあるのかなあと思います。
怖い顔をした鬼で、世の悪いものを追い払うみたいな。
あ、獅子舞の獅子がコワオモテなのも、実はそういう理由なのです(`・ω・´)

あと、まだこれからじっくり調べないといけないのですが、石見神楽とも結構共通点もあるような気がしたりして。

次回から、もう少し詳しいお話や、島根の神楽と違うところ似ているところのお話をする…予定。
といってもお祭りのことは寒くてお酒飲んでるかうつらうつらしているかばっかりで、あんまり覚えてないのですけれども…(ノД`)なんたって三大「むい」祭りですから!

それでは皆さま、よい週末を!\(^O^)/
web拍手 by FC2 posted by en-book at 22:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 縁人19号の神楽談義

2016年01月22日

神楽縁人の、そもそも神楽って? そのはち

ハーイ、神楽縁人です(^O^)

うっかり年をまたいでしまいましたが、いよいよ東北編最終回!いい加減終わらせよう!
ということで。
えーと、何を書く予定だったのかも忘れてしまったのですが。

あ、それでは、岩手の神楽を見られるお祭りをご紹介いたします(*^O^*)

私も数年前に行きましたが・・・
岩手県が北上市におきまして、8月の第一金曜日から三日間行われる「北上・みちのく芸能まつり」

神楽公演は、おまつりの二日目と三日目、つまり土日にありとあらゆる時間と場所で見られます。
このおまつりはスケールがなんとも大きくてですね、七ヶ所くらいの会場で、並行的に北上市を中心とした民俗芸能の公演が行われるのであります。
そして夕方からは駅前通りをドカンと通行止めにして、10ブロックに分けて同時進行で神楽の権現舞や鹿踊り、大人気の鬼剣舞などの大群舞が行われるのです。もうですね、あっちからこっちから違うお囃子が聞こえてカオス。だがそれがいいっ(`・ω・´)
三日目は、かなりスケールも大きく花火があがるようです。

このおまつり50年以上の歴史があるわけですが、実はこのおまつりをきっかけに、たくさんの神楽団体や芸能が復活したという歴史があります。かなり、戦争だ高度経済成長だで民俗芸能は失われておったのですね〜。
今でもこのおまつりは、後継者である若者が舞をたくさんの人に見てもらえて輝ける大切な機会なのです。
なかなか島根からはピッと行かれる距離ではないですが、ぜひ応援したいですねっ(*^O^*)
北上市の駅は・・・そうですね大田市駅に少し似てるかもですが、アクセスがいいので、盛岡の冷麺が食べられるし!平泉にもいけるし!えーと、厳美渓で空飛ぶ団子が食べられるし!じゅるるー
平泉はレンタサイクルがオススメですよ(^O^)

話は戻りまして。
神楽を見る会場で、駅から徒歩5,10分ほどのところにあります「諏訪神社奉納公演」が一番雰囲気があってオススメな場所です。
権現様が歯噛みしたコンコンという音が鎮守の森に反響するのがまたステキ。
iwate.jpg
しかーし、やたらビッグなアリが足を噛んだり登ってきたりするのでそこはご注意を。

次回からは、別の神楽のご紹介をしたいと思いますが、ご要望もちらほら聞こえましたので、萌ポイントをもっとふんだんにぶっこみつつ参ります!

では皆さま、よい週末を\(^O^)/
web拍手 by FC2 posted by en-book at 19:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 縁人19号の神楽談義

2016年01月15日

神楽縁人の神楽始め

ずいぶん日にちがたちましたが、皆さまあけましておめでとうございます!
お久しぶりの神楽縁人です(*^O^*)

今年も神楽の話にどうぞお付き合い下さいませ(^O^)

さてさて、秋の神楽シーズンも終わり、さぞ暇だろう・・・とおもいきや!先週の土曜日に神楽始めしてきました!

場所はといいますと・・・
鉄.jpg
ててーん!真っ暗ですが、雲南市大東の古代鉄歌謡館でございます(^O^)
コチラ、出雲神楽の中でも「海潮神楽」と呼ばれる神楽を伝承する地域のお膝元。あ、温泉もいいらしいです。
6月以外の毎月第二土曜日は「海潮神楽」、冬季を除く第四土曜日は雲南の「出雲神楽」の公演をされているという、オタクにはヨダレモノの場所なのであります。
行かれる時は行ってみていますが、どうもレギュラーメンバーな方々がおられる様子・・・私も目指さないといけないかしら・・・(`・ω・´)
夜8時からですので、お仕事があっても、おでかけした後でも大丈夫ですよっ

9日は、佐世神楽社中によります「山神祭」と「八戸」でした。

雑なあらすじをご紹介しますと・・・
「山神祭」は、アマテラスが岩戸に引きこもってしまい八百万の神様たちが困った結果、ウズメちゃんが岩戸の前で舞ってドンチャン騒ぎをすることに。そのときに使う大切な小道具の榊を、天の香具山という山から取ってくることになりました。そのお使いを頼まれたコヤネさんが行ってみますと、家主は留守。急いでるから取っていっちゃえ〜としているところに、家主のオオヤマツミさんが帰ってきて怒って取り返します。すったもんだありましたが、訳を聞いたオオヤマツミさんは榊を渡して、代わりにコヤネさんからもらった十束剣で地固めの舞を行いました。というお話。
ちなみに!
コヤネさんは石見神楽の「岩戸」(「磐戸」とも)ではかなり重要な人物のひとりです。大体おじいちゃんキャラですが、出雲のコヤネさんはちょっとイケメン。
十束剣(とつかのつるぎ)は「十拳剣」とも表されますが、名前の通り拳10個分の長さの剣。まあ、長いんだな〜と思ってください。結構この「十束剣」はいろいろな演目で登場してきます。オロチやっつけたるで〜のときも「十束剣」なのです(^O^)
それと、「地固めの舞」といいますのは、修験道の思想です。東西南北と中央に向けて、いろいろ唱えながら剣をふります。島根の神楽はあまり足でバンバン暴れない傾向が強いようですが、他の地域では、足で「大地を踏み固める」所作が多く見られるのが特徴。地に這う悪いものは出てけ!バンバン!という具合。

「八戸」(やと)は、皆さまご存知スサノオの大蛇退治のお話。「はちのへ」ではありません。

いや〜出雲の大蛇は萌です。萌!(`・ω・´)
石見は大体スサノオ萌。
萌ポイントについてはまたそのうち。

それぞれの社中で、「八戸」ともう一演目舞いますので、ぜひ皆さまもピッと行ってみてください(^O^)

ではでは皆さま良い週末を!\(^O^)/




web拍手 by FC2 posted by en-book at 18:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 縁人19号の神楽談義

2015年11月13日

神楽縁人の、そもそも神楽って? そのなな

ハーイ!19号です!
最近は神楽縁人でなくて風邪引き縁人になっています(ノД`)

今回は引き続き東北が岩手、権現様を中心に。
前回は権現様萌え!というお話でしたが、その萌えな権現様は獅子舞と何が違うのか、というお話。

だらだら続いておりますが、多分あと二回でおさめる…予定…

ただ、獅子舞の方はまだしっかり調べたわけでないのでサラっといきます!

まずはじめに、「獅子」の出る神楽の性格を見てみましょう。
獅子が出るときに特徴的なのは、だいたい先導役が出てくること。
先導役で多いのは、天孫降臨の時に天孫を迎えた神「猿田彦」。
天狗面で道化のような動きで獅子を連れて歩くことが多いです。
ちなみに鳥取の麒麟獅子もそういう感じだそうです。(`・ω・´)
獅子ではないですが、宮城県が気仙沼の浪板虎舞も先導が出てきていたので、もしかしたらルーツは獅子舞にあるのではないかなと思ったりして。妄想が膨らみます(*`・ω・´*)
先導役が出なくても、胴体の幕を持ったりするために誰かしら出てきます。

二つ目は…歯がみの所作と言いたいけれど自信がないので…人と関わりを持とうとする、にいたしましょうか。たくさん見ているわけではないので絶対とは言えんのですが(+_+)
普通の神楽は、だいたい「舞庭(まいど)」の中で勝手にくるくる舞っているのを、好き勝手に眺めるスタイル。
地元のお祭りとかだと、やっている方と見ている方がペチャクチャ話したり、石見では子供どもが狐とか鬼にさらわれたりすることもありますが。
獅子は人が大好きなのでしょう。
頭をフリフリ、獅子の方から人のところへ来てくれるのです。うーん個人的には大型犬みたいなイメージ。

ところで、権現様は東北の山伏神楽の一演目として最後に出てくることが一般的。獅子舞は伊勢大神楽という系統にあたり、大道芸みたいな見せ物?の一場面として出てきます。あ、伊勢では年に一度、獅子舞大集合みたいな日があるらしいです。見てみたいな(*`・ω・´*)
実はそれだけでなくて、村を渡り歩いて家々で祈祷する「まわり神楽」という特徴があります。
今では権現様が「まわり神楽」をすることはほとんどなくなってしまったようですが、伊勢大神楽はいまだにまわり歩いているようです。一度仕事中に見かけたことがあるので、鳥取や島根でもまわっているのではないでしょうか。

じゃあ一緒じゃん!ですって?ちゃうちゃう。チャウチャウ。違います!

まずは、ちょいとわかりにくいですが、獅子を持っている人をよーく見てみてください。
FB_IMG_1447475805054.jpgあああ権現様かわいいいい
権現様は黒い小顔美人ですので、基本的に手で捧げ持ちます。たいして獅子舞は、赤いチャーミングなお顔ですが、すっぽりかぶってしまいます。

権現様をやっている方がしんどそう…(ノД`)
ただ、歯がみをしたり顎の可動性は権現様の方があるのかもしれません。綱引きみたいなこともしていました。

あとは、権現様は猿田彦が先導役に出てくることはないのです。
出てきたとしても、面をかけない舞人や宮司さん。萌えはあってもお笑い要素はありません。
なんでなのでしょうね〜権現様の行くところは権現様が決める!って感じなのでしょうか。

あと決定的な違いは、もととなる宗教者。
山伏神楽は密教系の山伏・修験…ということは、メイドイン熊野。
獅子舞は伊勢大神楽なので伊勢の御師など…ということは、メイドイン伊勢。
今より神様仏様の境界が曖昧だったのではありますが、ビミョーに宗教者が違うんですなあ。あと時代もかな。山伏神楽の方が古いのではないでしょうか。
でも、似ているところが多いのも、熊野・伊勢で生まれたから。
獅子は大陸から都にもたらされた伎楽面からきていますが、都の皆さまが熊野・伊勢はよく行く土地だったので、獅子の舞が生まれたのではないでしょうか。

これだけズラズラお話していましたらもうおわかりかと思いますが「獅子舞」ときいて皆さまがパッとイメージするのは、実は伊勢大神楽なのです。
権現様と違ってなぜこれだけポピュラーになったのでしょう。
これはわたくしの想像ですが、伊勢の御師の方が時代が後なのと、行動範囲の広さだと思います。

東北の神楽は蝦夷征伐の時の従軍僧がつたえた、というのは前回のお話。
はじまりはそんな感じですが、実は「まわり神楽」が行われ神楽が盛んになった背景は、飢饉や疫病。すでに土地住み着いていた山伏・修験たちが民衆の求めだけでなくて、自分たちの食料を得るためでもありました。
伊勢大神楽の方はといいますと、伊勢神宮が廃れたときに御師たちが布教と札を買ってもらうためにはじめたことと聞きます。たしか江戸時代の伊勢参りブームも御師たちが伊勢神宮復興のために全国を行脚したから。その時の布教ツールの一つであったのではないでしょうか(^O^)

あら、また長くなっちゃった!
他にも細かく見ていくとあれもこれもなのですが、今回はここまでにしましょうか。

では皆さま良い週末を!\(^O^)/*


web拍手 by FC2 posted by en-book at 23:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 縁人19号の神楽談義